「Wonderful & Beautiful」は、
レミオロメンの名曲の一つですよね。
レミオロメンの歌詞はメッセージが分かりやすい曲が多いのですが、
「Wonderful & Beautiful」は、
珍しくメッセージが少し分かりにくいですよね。
何も知らずに聞くと、
道ならぬ恋の歌にも聞こえてしまいます。
当時のインタビューなどを元に「Wonderful & Beautiful」の歌詞の意味をまとめました。
「Wonderful & Beautiful」おさらい
「Wonderful & Beautiful」は、2007年12月にリリースされた曲です。
レミオロメンの12番目のシングルになります。
ベストアルバムにも入った曲なので、
耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
華やかなタイトルの割りに、切ない歌詞とメロディーが印象的ですよね。
Wonderful 冷たい雪ね
&Beautiful 絡めた指を
ほどかないでって 君は笑って泣いたね
-Wonderful &Beautiful 歌詞
この歌詞を聞くと、離れたくないのに離れなきゃいけないから、
彼女(君)は泣いちゃったのかな
って思っちゃいませんか?
(私だけなのかな?)
不倫とか、道ならぬ恋の歌なのかと思っちゃったんですけど、
調べてみたら、
ファンへの想いが込められた歌なんですね。
大変失礼しました。
当時のレミオロメンの状況
当時、レミオロメンは歌の方向性に悩んでいたと言われています。
2005年の粉雪のヒット以降、
周りからは大衆受けする音楽を求められていて、
でも自分たちの音楽がやりたいという葛藤があった時期です。
「Wonderful & Beautiful」発売当時のインタビューで
ベースの前田啓介さんは以下のように語っています。
かつては、楽曲主義みたいなことはすごく考えていたと思うんですね。
要はこの3人以外の音を入れていくことに関して、
僕は拒否反応が少なかったんですけど、
バンド全体では拒否反応を感じつつ、
言葉や世界観をより明確に伝える作業がしたかったっていう。
-excite. ニュース
また、藤巻亮太さんは以下のようにも語っています。
昨年までの流れとして、
3人が役割にハマっていったところがあって。
「自分はドラムだから」とか、
「俺はベースだから」っていうところで、
楽曲の 温度がクールになっていったところがあって。
-excite. ニュース
インタビューなので、オブラートに包んで表現されていますが、
一般受けのするアレンジを入れられたり、
周りに言われた役割を果たしているだけなのが、
かなり嫌だったことが分かります。
余談になりますが、
「アイランド」(2006年リリース)も、
同様の葛藤を表現した曲と言われています。
「Wonderful & Beautiful」というタイトルの意味
まず、タイトルの「Wonderful & Beautiful」は、
華やかな芸能界のことを表しているのでしょう。
当時のインタビューで藤巻亮太さんは以下のように語っています。
この曲は、サビの“Wonderful”って言葉の後にネガティヴな言葉を言って、
また、“Beautiful”って言葉の後にネガティヴな言葉を言って。
そのバランス が出来た時、
この曲は出せるなって思ったんですね。
-excite. ニュース
「Wonderful & Beautiful」は、
芸能界は魅力的で華やかだけれど、
その裏で犠牲になってしまった自分たちらしさ
を表現した歌だと思われます。
「Wonderful & Beautiful」歌詞解釈
それでは、歌詞解釈です。
6キロ前から渋滞の列が
スキー板のように 冬の首都高を
交互に滑った 僕は苛ついた
渋滞は苦手さ
渋滞は、
行きたいところにいけない・抜け出したくても抜け出せない
という当時の藤巻亮太さんの状況を表しているようですね。
現在置かれている状況への不満が表現されています。
都会は溢れて 田舎は足りない
それとも逆か 似たようなものか
「都会は人や車で溢れているが、田舎は空いている。」
この表現から、地方(田舎)へ車でスキーに行った帰り、
という状況が浮かび上がります。
また、「Wonderful & Beautiful」の世界観の中では、
藤巻亮太さんが守りたい、ファン(君)は
田舎(地方のスキー場)にいるという設定のようなので、
・田舎=昔からのファン
対比して
・都会=新しいファン(もしくはこれからファンになる人たち)
という比喩になっているようにも思えます。
渋滞でイラつきながら、
「新しくファンになる人が多くて昔からのファンが少ないから、
大衆受けする曲を作らなければいけないのか、
それとも昔からのファンは既に十分いるからなのか、
それともどちらも似たようなもので少ないからなのか・・・」
と考えを巡らしている様子なのかもしれません。
Wonderful 間違えもある
& Beautiful 不完全でも
そこがいいって君が笑ってくれたら
Wonderful 救われるかな
& Beautiful どんな背伸びも
自分を越えられなくて
光を探したのさ
「間違えがあっても不完全であっても、
そんなところがいいってファン(君)が笑顔になってくれたら、
救われるかな。」
トンネルの前から出口の天気が
わかっていたなら傘はいるのか
何のためのもしも誰のための未来
僕は君を守れてるかい
「トンネルに入る前から、
出たときの天気が分かっていたとしても、
傘が役に立つとは限らない。
「もしも」や「未来のため」と周囲は言うけれど、
それはいったい誰のためなのか。
僕はファン(君)を守れているかい?」
予報ははずれて 予感は当たった
低い雲から 雪が千切れた
「周囲は、ファンに受け入れられると言っていた(予報)けれど、
悪い予感はあたった。
ファンが離れて行った。」
※「低い雲が千切れるように(離れるように)雪が降った」
というのはファンが離れていった様子のことと思われます。
Wonderful 不確かであれ
& Beautiful 不自由であれ
ここでいいって君が笑ってくれたら
Wonderful 限界はない
& Beautiful どんな小さな
幸せも見つけ出し
光で照らしだすよ
「僕たち(レミオロメン)の在り方が、不確かで変わってしまっても、
不自由であっても、
ここでいいって、ファン(君)が笑ってくれるのであれば
僕たちに限界はない。
どんなに小さい幸せでも見つけ出して、
光で照らしだして、ファン(君)に届けるよ。」
役割だけじゃ 満たされぬまま
冬の中 手を繋いだ
Wonderful 冷たい雪ね
& Beautiful 絡めた指を
ほどかないでって 君は笑って泣いたね
「周りから求められるレミオロメンという
役割を果たすだけでは不満で、
周囲の反対の中、ファン(特に初期からのファン?)が好きな曲を歌った(もしくは作った)。
ファン(君)はやっぱりそうゆう曲がいいと言って、
僕たちの歌に笑顔になり、
僕たちの歌に感動して泣いたね。」
スキー場でのワンシーンですね。(たぶん)
藤巻亮太さん自身が「その手を離したくなかった」
という強い思いが込められていますね。
Wonderful 変わりたいんだ
& Beautiful 奇跡だろうと
降りしきる雪を越え
光を探したのさ
あなたを探したのさ
ファンを喜ばせることができて、さらに周囲も納得させられる
そんな曲を作れるくらいになりたいと、
思っていたのかもしれないですね。
葛藤を、スキー場の雪景色になぞらえて、
切なく歌い上げています。
まとめ
レミオロメンの名曲の一つ、
「Wonderful & Beautiful」の歌詞の意味を、
当時のインタビューや他の楽曲を参考に解釈してみました。
こんな素敵な歌で想われたら、ファンの人はたまりませんね。